チープだが味わいのあるオバケ屋敷映画―[REC/レック]―




歌舞伎町で、スパニッシュ・ホラー映画の[REC/レック]を観る。


映画[REC/レック]オフィシャルHP


そういえば、花見沢Q太郎が同名の萌え漫画描いてたな〜とかくだらないことを考えながら映画館の暗闇の中に入っていったのだが、当然ながら映画の方は阿鼻叫喚がこだまする絶叫系ホラーで、「萌え」なんざ一切ないのであった。血しぶきはよく出ていたが。


映画は「クローバー・フィールド/HAKAISHA」や「ブレアウィッチ・プロジェクト」同様、カメラマンの主観でストーリーが進んでいく。
一応、ドキュメンタリーっていう体で描かれているんだけど、スクリーンに映し出されるのはどう見ても「人を脅かすために計算づくで撮られた」映像なんだよね。
だから、ストーリーそのものに説得力はあんまり無し。一応、劇中に「謎」みたいなものも用意されてるんだけど、正直話の辻褄は合わないし、ちゃんと観てると穴だらけっていうか、ツッコミどころばっかりなんですよ。
その代わり、観てる人を脅かすことに関しては本当に、よく練られてる。


「暗闇からモンスターが『ウワッ!』」系のチープな脅かし方ばっかりなんだけど、これがかなり効果的で、観てて3回くらい身体がビクッ! ってなった(笑)。
「物語」っていうところに視点を置いちゃうと、食い足りないんだけど、単純に恐怖感を味わうという意味では、凄く良くできたホラー映画。…いや、ホラー映画っていうよりはオバケ屋敷に近い感じかな。ほら、オバケ屋敷ってビックリさせられるっていうのが楽しみなわけであって、そこにストーリーとかはいらないじゃないですか。


ハリウッドでのリメイクが決定しているらしいけど、このいい意味でのチープさんはリメイク作でも是非残して欲しいと思った。

火事に備えて、大事なモノはこうしとけ! 〜ロマンポルシェ。が教えてくれたこと〜



一昨日の話になるのですが、新宿Loft中原昌也Hair Stylisticsゆらゆら帝国ロマンポルシェ。の3組が出演したライブを観に行ってきました。
毎回思うのですが、ロフトは、バーが併設してあるのが素晴らしいですね!
お酒を飲みながら、程良く酔っ払ってロックを聴く。ミュージシャンのステージ上のアクションを観る。
最高です。


Hair Stylisticsのノイズ・サウンドも、ゆらゆら帝国の異様なカッチョ良さを誇る日本語ロックも、言うまでもなく素晴らしく、満員のお客さん大盛り上がり!だったのですが、何と言っても、この日一番インパクトがあったのはトリのロマンポルシェ。でした。
ザ・スターリンの「解剖室」のカヴァーで幕を開けたこの日のライブは、ロマンポルシェ。の代名詞とも言える説教は一切なし。
で、何をしたかと言いますと・・・。


ファンの方は皆さんは御存じかと思いますが、ヴォーカル&説教担当である掟ポルシェ氏、
住んでる家が火事になっちゃたんですね〜。


掟ポルシェのblog「掟ポルシェの赤黒い日記帳」


で、曲間のMCは全て火事トーク(笑)。
火事の原因から、事の顛末に至るまでを、いつもの掟節全開で全く悲壮感を感じさせずに事細かに客に報告するという、己の不幸を話芸にまで昇華させる漢義を見せてくれました。
途中で、小道具の日本刀と金属バットを「オークション」と称して客に売りつけたり、ステージから自分のための募金活動行ったりと、もうやりたい放題でした。
恐るべし! 掟ポルシェ!!


そうそう、そのトークの中で一つ、タメになる話がありまして。
掟氏曰く、火事に備えて「大事なものほど床に置け!」とのこと。
これはどういうことかと言いますと、まぁ単純なことなのですが、火事の時、煙や熱は高い方に昇っていくと。避難訓練の時なんかに、「煙に囲まれたら這って進め!」みたいなことを言われますが、ま、何となく感覚的に身に沁みついていることですね。
やっぱりお気に入りのレコードや本とかって、どうしても目に付く所に置いておきたいし、ラックや棚の上なんかに飾っておきたいじゃないですか。


アレは、良くないらしいです。


掟氏も、大事にしているレコードを棚に飾っておいたらしいのですが、煙を吸ってしまって、全部ダメにしてしまったとか。
反対に、下の方に置いていたどーでもいいレコードの山は、煙も吸わず、熱に侵されもせず、ほとんど無事だったそうです。
コレクターの皆さん、火事に備えて、大事なコレクションはなるべく地べたに置きましょう!


まぁ、火事なんて起こさないことが一番な訳で、
そんなロマンポルシェ。の現在のところの最新アルバムのタイトルがコレ!
 
おうちが火事だよ!ロマンポルシェ。


ハイ、ふざけるのが一番ダメという話ですね。

J-POP化したアニソン聞いてるお前ら、水木一郎兄貴の言葉を聞け!

 先週の「よゐこのアキパラ」にゲスト出演された「アニソン界の帝王」「兄貴」こと、水木一郎さんのお話が素晴らし過ぎたので、まだ公式サイトで音声を視聴できるんだけど、わざわざ文字起こしします。

(話は兄貴の下積み時代の話になり・・・)


 兄貴「水木一郎ってのはね、5枚レコードを出したんだけどね、全く売れなかったのね。ホント売れなかったの」
 濱口「そうなんですか?」
 兄貴「もう、辞めようかな、どうしようかなと思って・・・。で、『個性がない』って言われたの、まず」
 濱口「もう今の兄貴からは、考えられないっすね」
 兄貴「『君の歌には個性がないよ』って」
 濱口「それ、嫌な先輩に言われたんすか(笑)」
 兄貴「森進一さんみたいに例えばね、『ふうっふっふっふっ』(※森進一のモノマネ)」
 濱口「(笑)」
 兄貴「(笑いながら)みたいにね、個性付けなきゃ駄目だなって思って」
 濱口「今の兄貴の森進一さんのモノマネですね、いいっすね(笑)」
 兄貴「でも、二番煎じじゃん。それも。・・・で、もう辞めようと。辞めなきゃ駄目だ、この歌謡界は」
 濱口「はぁ、兄貴でも辞めようと思ったんですか」
 兄貴「向いてねぇよ、この世界はって」
 濱口「『個性がない』って言われたんすか。はぁ〜、じゃぁどうしたんですか、個性を付けようと」
 兄貴「それも、ファンの、一般の方に言われた」
 濱口「え!?一般の人に『水木一郎は個性がない』と」
 兄貴「そう」
 濱口「歌い方に?」
 兄貴「その頃の話する?」
 濱口「いや、いいっす、いいっす。泣くでしょ(笑)兄貴泣いちゃうでしょ、止めましょ、じゃあ」
 兄貴「例えば当時、もう売れてた、スターになってた歌手の人達と、一緒にさ、各社レコード会社ナントカの対抗の歌合戦、その後にサイン会とかあってさぁ」
 濱口「はい」
 兄貴「サイン会で並ぶんだよ、俺もコロムビアの代表として。各レコード会社の人達が並んで、俺んトコロ誰も並ばないんだよ」
 濱口「へぇ〜」
 兄貴「誰も並ばないんだよ!でも、レコードは積んであるんだけどさ、誰も並ばないでサイン色紙も積んであってさ、マジック持ってんだけどさ、『どうしようかな〜』って」
 濱口「(笑)」
 兄貴「でも、水木一郎って書いちゃおう〜って。並ばないのに書いたりしてんだよ。で、隣見ると、ドンドンドンドンお煎餅みたいに売れてるわけだよ、で『握手して〜』って。で、俺んトコ全然・・・。でもね、向こうが20人並ぶと、一人くらい並んでくれるんだよ。すると、その一人が『いや〜、アナタ無個性だからさぁ〜』とか言って・・・ドキャーン(※水木節で)だよ、俺なんかよ〜みたいなもんだよ」
 濱口「(笑)当時は言わなかったわけですね。当時、それ言ってたら、個性になってた」
 兄貴「当時は言わなかったよ。心の中で『俺は、やっぱ個性ないのか・・・』って」
 濱口「あ〜〜〜、まだ、水木一郎ができてない時ですね」
 兄貴「そう」
 濱口「それ言うてたら、個性の塊ですけどね。(ドキャーンって)今みたいに言うてたら(笑)」
 兄貴「で、『原始少年リュウ』を歌った時にね、『個性ねぇって言われたし、どうしようかな〜これよ〜』って、レコーディングの時に。でアニメソングの良いところってね、キャラクターがいるんだよ、もう」
 濱口「ハイ」
 兄貴「『リュウはこういう少年です。設定は原始時代です。恐竜もいます』と。『あぁ、そう!』って、原始のジャングルの中を裸足で走ってる少年の、そのつもりで歌ったんだよ」
 濱口「ほう!」
 兄貴「あ、水木一郎じゃなくたっていいんじゃねぇか。あぁ、俺はリュウで歌えばいいんだ!リュウになったつもりで歌ったんだよ
 濱口「ほう、なるほど!」
 兄貴「話飛ばしますけど(笑)その後にね、バロムワンが来たの。『超人バロムワン』」
 濱口「リュウの後に?」
 兄貴「そう、男の子二人なんですよ、主役が。『バロームクロース!』って言うと変身するの、バロムワンに。じゃあ、俺はバロムワンになった、変身した後のバロムワンになろうつって」
 濱口「ええ」
 兄貴「で、バロムワンになりきって歌った。そしたら、バロムワンみたいな感じの声になったの」
 濱口「ブロロロローブロロロローいうヤツですよね?ブロロロロー!」
 兄貴「ブロロロロー(※水木節で)!」
 濱口「(笑)」
 兄貴「僕『個性がない』って言われた後だったから、ブロロロローもね、後で聞いてもらうと分かるけどね、そんな激しくないの。
『マッハロッドでブローロブローロ、ブロロロー』くらいなの」
 濱口「あぁ、当時のヤツはそうなんすか?もう今なんか『ブロロロロー!』言うてるイメージですけどね」
 兄貴「って感じでしょ、でも『ブロロロー』くらいで終ってる。で、その後に『マジンガーZ』。これは僕、迷いましたね〜、兜甲児で歌うのか、マジンガーZで歌うのか」
 濱口「マジンガーZ、ロボットですもんね。どっちの気持ちで歌ったんですか?」
 兄貴「マジンガーZの気持ちで歌った。ロボットの気持ちで。『パイルダーオン』する時は兜甲児の気持で『パイルダーオンするぞ!』ってことで『パイルダー・・・オーン!(※水木節で)』」
 濱口「(笑)そうです、そうです!」
 兄貴「その後は、もう『俺はマジンガーZだ!』と」
 濱口「なるほど!」
 兄貴「そうやって歌っている内に・・・ヒーローが俺に個性をくれたんだよね
 濱口「ほぉ〜〜〜!うわっ、メチャメチャええ話やっ!」

 この後も、兄貴の金言は続くんだけど、とりあえずこの辺で。


 いや、僕はこれを聞いてですね、「アニソンの何たるか」みたいな、アニソンの本質を再確認できましたね。
 「アニメソングの良いところってね、キャラクターがいるんだよ、もう」っていうのは、まさに目から鱗
 そうだよ!そうだよ!昔のアニメソングって、その作品の個性や世界観を的確に表現しているから、作品とセットで記憶に刻み込まれるんだよね。
 アニメソングが1分30秒のJ-POPのコマーシャルソングになってしまった感のある昨今、この辺のトコロをキチンと理解している歌い手がどんだけいるんだって話ですよ!ドンッ(※机を叩く音)


 しっかし、「ヒーローが俺に個性をくれたんだよね」っていい言葉だよなぁ〜。
 やっぱ、兄貴はカッコいいぜ!
兄尊「アニソン」

鈴木みのるの20周年記念興行を見てきました。

 後楽園ホールに、プロレスラー鈴木みのるのデビュー20周年記念興行を見てきました。


「風になれ」〜SUZUKI MINORU 20×2th Birthday Party〜


 いや〜、予想以上におもしろかったですね。


 僕は、鈴木みのるというプロレスラーを、選手としてよりは、プロレス批評家として高く評価していて、今回のイベントに関しても、新日〜UWF〜藤原組〜パンクラス〜プロレスへの回帰と渡り歩いてきた、一人のレスラーへの「ご祝儀」みたいな感覚で見に行ったんですけど、純粋にイベントとして良くできていて、久方ぶりに何も考えず、純粋に楽しめた興行でした。


 プロレスって、身体がデカい大男同士が上半身裸でぶつかり合う、物凄い「ハレ」なイベントなわけじゃないですか。
 今回の興行は「鈴木みのる」という一人のレスラーにゆかりのある様々なレスラーが一つのリングに集まるという、更にお祭り的な要素の強いイベントだったわけで、
 「ハレ」の中でも最上級の「ハレ」って感じでしたね。


 「ハレハレ愉快」って感じでした。


 第一試合のメインイベントまで、
 ちょっと濃すぎじゃないかというくらい密度の濃いプロレス興行で大満足でした!やっぱり、俺はプロレスが好きで良かったな、と。
 今回のイベントを見て、プロデューサーとしての鈴木みのるの辣腕にも驚かされました!
 願わくば、次の25周年、30周年も、また見てみたいと思わせる内容でした!

戦極、出るぞ!

今夜は、スポーツバーで「戦極〜第三陣〜」の観戦予定。
お酒飲みながら、メモ書き程度に、このblogにもちょこちょこ情報をアップしていこうと思います。


<第一試合 ライトヘビー級>
×高橋和生(日本/フリー) vs ファビオ・シウバ○(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)


ゲスト解説者は郷野!OP曲「鮫肌男と桃尻女」のテーマだぁ〜。あの映画大好き!高橋の入場曲は、やはりデッド・オア・アライブ。1R、高橋いきなり左フックで倒れる。やはり、打たれ弱くなってるか?2R、いきなり打ち合い。高橋苦し紛れのタックルもきられて、膝蹴りでKO負け。



<第二試合 ライト級>
ホドリゴ・ダム(ブラジル/アライアンスBJJ) vs ジョルジ・マスヴィダル×(米国/アメリカントップチーム)

1R、ダムが相手の回りをくるくる回るお見合いに終始。フックで一度ダウン。ダム、なかなかタックルに行かない。入れないのか?2R、ダム、タックルに行かない。印象悪いな〜。膠着状態のなか、ダムのパンチがいきなり入って、マクスウィルがダウン。レフェリーのストップが早い!




<第三試合 ヘビー級>
×チェ・ム・ベ(韓国/チーム・タックル) vs マーシオ・“ペジパーノ”・クルーズ○(ブラジル/グレイシーフュージョン

ペジパーノは、ハイアン・グレイシーのTシャツで入場。1R、開始早々、打撃で前に出るペジパーノ。ムベ様、異様に動きが悪い。簡単に倒される。一度立ち上がるも、ムベ、アクシデントとか?覇気がないまま、バックをとったペジパーノにボコボコに殴られる。三角に移行したペジパーノ。最後は腕を伸ばして一本勝ち。どうした?ムベ!




<第四試合 ミドル級>
菊田早苗(日本/GRABAKA) vs クリス・ライス×(英国/チームトロージャン)

1R、菊田が組み付くと、ライスはフロントチョーク。そのまま倒れ込むと、菊田落ち着いて首を抜く。グラウンドで上をなる菊田。あとは独擅場で、腕十字で一本勝利。



<第五試合 ウェルター級>
○ニック・トンプソン(米国/フリースタイル・アカデミー) vs マイケル・コスタ×(ブラジル/シュート・ボクセ・アカデミー)

1R、ニック・トンプソン、グラウンドで腕十字を狙う。極まらないとみるや、クローズドガードへ。ラバーガードを見せるなど、器用な所を見せるが、大きな動きがないままラウンド終了。2R、大降りなパンチを振るうコスタと、カウンターを狙うトンプソン。コスタのパンチをもらったトンプソンは、後ろに下がりながら倒れ込む。追撃に向かったコスタ。グラウンドの攻防へ。オモプラッタを見せるコスタ、コスタも器用だ。しかし、グラウンドでは、トンプソンのスキルが上か?ストレート・アーム・バー→アーム・ロックへと移行し、コスタからタップを奪った。試合後、ボクシングチャンピオンの内藤大助選手が何故かマイクを持つことに。凄い人気!

正直、ここまでの試合は微妙…。残り3試合で盛り上がらないと、かなりツライ。休憩明け、グルジアのメダリストチームと、トリッグの参戦と、8月から始まるライト級トーナメントの概要発表。参戦選手は、ドゥエイン・ラドウィックホドリゴ・ダム光岡映二北岡悟横田一則

 
 
<第六試合 ミドル級>
三崎和雄(GRABAKA) vs ローガン・クラーク×(米国)

1R、スタンドでの攻防。頭一つ大きい、ローガン・クラークだが、スキルは三崎の方が上。効果的なボディーへのフックが何発か入る。2R、パンチは単調だが、時折追い詰めてプレッシャーをかけてくる。流れの中で、クラークがローブロー。三崎のアウトボクシングが効果的。ボディーへの打撃に、顔をしかめるクラーク。3R、クラークのパンチで、三崎がフラッシュダウン。片足をとると、組み付いて対処。三崎、徹底してアウトボクシングを貫くも、クラークのスタミナも凄い!結果は判定へ。三者、三崎支持でフルマークの判定勝利。




<第七試合 ヘビー級>
×藤田和之藤田事務所) vs トラビス・ビュー○(米国/エリート・パフォーマンス)

パンチでフラッシュダウン→パウンドで追撃というヘビー級の常套手段でビューが勝利。




<第八試合 ヘビー級>
吉田秀彦(吉田道場) vs モーリス・スミス×(米国/The Alliance)

グラウンドに持ち込んだ吉田が、ヘッドロックで勝利。



PUNKAFOOLIC! TOKYO 2008@渋谷O-EAST

 渋谷O-EASTに、THE ADOLESCENTSのライブを観に行ってきました!


 今回のライブは、CD JournalのHPで、「アドルセンツ来日!」の報を知り、その場で深く考えもせずに@ぴあでチケットを買ってしまったため、ライブの詳細とかはほとんど知らないままホテホテと出かけてきたのですが、どうやらパンクロックを専門に扱っている「PUNK ROCK CONFIDENTIAL JAPAN」とかゆー雑誌の創刊一周年を記念してのライブイベントだったようで、やたらに会場がデカかったですね。
 でも、客の入りはちょっと寂しい感じだった…(汗)。


 Shibuya O-EASTには初めて行ったのですが、普段は小さなライブハウスにばっかり行ってるもんで、異様に巨大に感じました。
 しかも、道玄坂のラブホ街の中にあるから、行く時妙に恥ずかしかったし・・・。
 メインステージの横にサブステージがある珍しい設計。2つのステージがあるおかげで、セットの転換が非常に早く、計5バンドが出たイベントだったにも関わらず、進行がえらくスムーズでした。
 ただ、ちょっとパンク・ハードコアのライブには向いてないな、と感じた。場内が奇麗過ぎるし、音もちょっとトゲトゲしい気が・・・(ウルサイって言うんじゃくて)。あと、ドリンクメニューが、もう少し充実してると嬉しいかな。ドリンクチケットで交換できるアルコールが、缶ビールと缶チューハイだけってのはちょっとなぁ〜(>_<)。


 でも、ライブのは方は良かったよ!
 初めて行く会場だったもんで、道に迷った上に(しかもラブホ街のド真ん中で)、何故かどーしてもクレープが食いたくなり、寄り道したりしたお陰で(どうだ、このライブを前にしてのパンク感ゼロの行動!)、開場時間をとうに過ぎた頃に遅れて入場。
 扉を開けると、すでに一番手のWRENCHのライブが始まっていた。
 ダブっぽい音響と、エフェクト効かせたギターの音が異様にカッコ良く、すかさず音に乗る。「お〜コレは気持ちいいわ〜」とか思っていたら、すぐに演奏終了。
 しまった! 頭から見とくべきだった!


 2番手は、Beyonds
 fOUL活動停止後、渋谷AXで行われた復活ライブを目撃して以来のBeyondsだったんだけど、いや〜fOUL同様、独自路線をひた走り、異色のバンドになってるな〜と思った。
 前途の復活ライブの時は、1stの「UNLUCKY」からの曲とかもやってたんだけど、今のBeyondsは現在進行形の新たなBeyondsでした。谷口さん、トランペット持って出てくるんだもん。ビックリしたな〜。1stと2ndが本当に好きなので、再結成後の音にはイマイチ興味が持てなかったんだけど、あのユニークな音はやっぱり聴いとくべきだと思った。買わなきゃ、アルバム。

 
で、次はSCUM BANDITZ。元気一杯の暴れっぷりに、「Nice Hardcore.」と前線まで出ていくも、最前列のお客さんの暴れ様に、即撤退。俺、パンクのライブで暴れてる客から逃げるの、超上手いからね(笑)。


 三番手は、S×O×B! S×O×B、カッコ良いよ、S×O×B。
 TOTTSUAN在籍時の本物のS×O×Bファンには全然さっぱり敵わないけど、僕はやっぱりS×O×Bが好きなのです。
 来月の5日には、原爆オナニーズ、SYSTEMATIC DEATH、GAUZEとのライブがリキッドルームで行われるそうな。
 うおっ! 行きたい!


S×O×Bで首振り過ぎたのと、トリのアドルセンツに備えて、セミファイナルのU.G MANは後列でアルコール飲みながら、ほんわか見る。U.G MAN、初めて見たんだけど、音源よりアグレッシヴで良い。


 で、いよいよメインのTHE ADOLESCENTS!
 正直、会場の大きさの割に、集客が今一歩だったので盛り上がるのか不安だったけど、幕が開いてメンバーの姿を見たら、多幸感で余計な考えは吹っ飛んだ。


 いや〜、カッコ悪いぞ、アドルセンツの面々(笑)。
 映画「AMERICAN HARDCORE」で、現在の姿は確認していたとはいえ、幾らなんでもメンバー太り過ぎだ。デブっていうか、ナチュラルなアメリカ人体型になっちゃってるんだよね。80年代は、ルックス、ガリガリだったのに。
 Misfitsやヘンリー・ロリンズみたいに、年食ってからも筋肉で武装してないのが、ADOLESCENTSらしいといえばADOLESCENTSらしいか。


 でも、音の方はカッコ良いんだ!


 ルックスはイマイチでも、あの元祖メロコアともいうべきハードコア・サウンドを立て続けにやられるもんだから、S×O×Bでの首の痛みも忘れて身体動かした、動かした!
 俺が三沢光晴なら、首の怪我が悪化して引退確実! くらい、アドルセンツのパンク・サウンドを満喫しました!
 ライブの時間は短めだったけど、アンコールでは「I Hate Children」も演ってくれたよ(嬉)。


 やっぱり、THE ADOLESCENTSって正直喧嘩弱そうだし(実際、メンバーはイジメラレっ子だったらしい)、ルックスイマイチなんだけど、そんなどこにでも居そうな「冴えないヤツ」がカッコよい音を演るのがカッコ良いんだよね。
 「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」じゃないけどさ。
 メンバーみんな愛嬌あるし、差し詰め、可愛い親父、ハードコアでハッスルする、ってトコか。最高!
 願わくば、次は下北沢Shelter辺りで単独で観たいな〜って思わせる、現役ハードコア・パンクスっぷりでした。








あ、そうだ。ついでに言っとくと、帰りに高田馬場でミニスカートのお姉ちゃんのパンチラ見た!
 以上!

萌えと並ぶオタク文化の末裔”ツンデレ”



萌えと並ぶオタク文化の末裔”ツンデレ


 あまりにも範囲が拡散しすぎ煩雑になるという理由で近年では鉄道、SFといったオタク文化と「萌え」に端を発する美少女アニメ、漫画、エロゲーといったアキバ文化は分け隔てられて考えれつつある。一方で、アキバ文化から派生した萌えとツンデレは、思想的に、あるいは気分的に明確な共通項があった。それは既存のオタク文化の価値観や美意識やモラルを粉砕し、儀制化していた秋葉原の街並みと、インターネットの掲示板の言説を徹底的に解体することだった。90年代後半の伝説的アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」とreaf/Keyに代表されるエロゲーがその突破口となったその動きは、萌えがさまざまなチエと工夫で推進し、ツンデレは二面性と強度で突破しようとした。言い方を変えれば、萌えが美少女文化の多様化だったとすれば、ツンデレは文字通り「ツンとデレ」という二面性によって、二次元の女の子の魅力をさらに過激に、純粋に突き詰めていった動きだった。


 2000年以降、主にライト・ノベルを中心にツンデレのキャラクター達は出現し始めた。代表格は角川出版の「スニーカー文庫」から出版された『涼宮ハルヒの憂鬱』の主人公、涼宮ハルヒである。03年に文庫「涼宮ハルヒの憂鬱」でデビュー(作者の谷川流れが)、以後発表される著作がことごとく「このライトノベルがすごい! 」の上位に登場し、06年京都アニメーション制作のテレビ・アニメーション版で、その地位を確かなものとする。涼宮ハルヒの登場は決定的だった。常軌を逸した行動と、物語のキーパーソンであるキョンへのツンとデレ、テレビアニメをCVを担当した平野綾の切羽詰まった演技力は、それまでの猫耳、メイド、スクール水着といった萌えの方法論をことごとく無力化してしまうような衝撃だったのである。小説版第1巻「涼宮ハルヒの憂鬱」テレビアニメ版第9話『サムデイ イン ザ レイン』は、あずまきよひこの初期作品やGAINAX制作のテレビアニメに匹敵する重要作である。


 涼宮ハルヒがもっぱら二次元でツンデレのラジカリズムを体現していたとするなら、三次元で支柱となったのが釘宮理恵である。数多くの美少女アニメの主演を務めたキャリアから生まれたツンとデレ、ツンケンしたセリフと相反するロリ声、アニメ声というスキルを携え、徹底した商業主義を貫き(周囲にいる大人たちが)、ツンデレTV、ツンデレカルタ、∞プチプチ ぷち萌えといった商品に起用され、さらに数多くのアニメ、ネットラジオに主演する、といった彼女の活動は、ツンデレの理念をもっとも純粋に妥協なく貫き通した、ほとんど唯一無二の例だった。彼女は時にテレビアニメで男の子を演じ、ショタ声を披露したが、そのツンデレっぷりは『灼眼のシャナ』のシャナ、『ゼロの使い魔』のルイズや『ハヤテのごとく!』の三千院ナギといったキャラクターに如実に表れている。


 ほかにも大空寺あゆ君が望む永遠)、沢近愛理スクールランブル)、真紅(ローゼンメイデン)、柊かがみらき☆すた)といったあたりが代表的なツンデレのキャラクターだが、涼宮ハルヒツンデレ第一世代の打ち出した「ツンとデレという二面性を用いることによって生まれるギャップ」という方法論はさらに突き詰められ、先鋭化していく。それが、桂言葉School Days)、芙蓉楓(テレビアニメ版、SHUFFLE!)といったツンデレ第2世代によるヤンデレだ。キャラクターの二面性を極限まで推し進め、テレビアニメ版最終話の放送を自粛にまで追い込んだSchool Daysの『Nice boat.』のもたらした衝撃は、アキバ文化のひとつの終着点とも言える。だがツンとデレの追及には限りがない。ライトノベルの台頭を受け、ついに「つよきす」のように登場するキャラクターが全員ツンデレという異色作を生み出すのである。




萌えはロックだ!