チープだが味わいのあるオバケ屋敷映画―[REC/レック]―




歌舞伎町で、スパニッシュ・ホラー映画の[REC/レック]を観る。


映画[REC/レック]オフィシャルHP


そういえば、花見沢Q太郎が同名の萌え漫画描いてたな〜とかくだらないことを考えながら映画館の暗闇の中に入っていったのだが、当然ながら映画の方は阿鼻叫喚がこだまする絶叫系ホラーで、「萌え」なんざ一切ないのであった。血しぶきはよく出ていたが。


映画は「クローバー・フィールド/HAKAISHA」や「ブレアウィッチ・プロジェクト」同様、カメラマンの主観でストーリーが進んでいく。
一応、ドキュメンタリーっていう体で描かれているんだけど、スクリーンに映し出されるのはどう見ても「人を脅かすために計算づくで撮られた」映像なんだよね。
だから、ストーリーそのものに説得力はあんまり無し。一応、劇中に「謎」みたいなものも用意されてるんだけど、正直話の辻褄は合わないし、ちゃんと観てると穴だらけっていうか、ツッコミどころばっかりなんですよ。
その代わり、観てる人を脅かすことに関しては本当に、よく練られてる。


「暗闇からモンスターが『ウワッ!』」系のチープな脅かし方ばっかりなんだけど、これがかなり効果的で、観てて3回くらい身体がビクッ! ってなった(笑)。
「物語」っていうところに視点を置いちゃうと、食い足りないんだけど、単純に恐怖感を味わうという意味では、凄く良くできたホラー映画。…いや、ホラー映画っていうよりはオバケ屋敷に近い感じかな。ほら、オバケ屋敷ってビックリさせられるっていうのが楽しみなわけであって、そこにストーリーとかはいらないじゃないですか。


ハリウッドでのリメイクが決定しているらしいけど、このいい意味でのチープさんはリメイク作でも是非残して欲しいと思った。