新年早々、有り得ないくらいの絶望感を味わったぜ!

 
今年から、こちらのBlogで、日記を書いていきたいと思います。
 
書いている人は、「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」という、はてダの中の人と同一人物です。
こちらは、映画や音楽の話題が中心になると思いますが、メインサイトと同様、よろしくお願いいたします。
 
さて、新年一発目&Blogの書き込み一発目という、あたかも白紙に書初めを行うかの如き、晴れ晴れしい気持ちの初エントリーですが、扱うテーマはジョージ・A・ロメロの新作ゾンビ映画ダイアリー・オブ・ザ・デッド」です。
 

 
明らかに新年の清らかな空気に合わない作品ですが、新年一発目に観てしまった作品がコレだったんだから、しょうがないです(笑)。
 
以下、感想は、これから観る人にとっては、一部ネタバレになるかもしれないので、収納しておきます。
 
 
いや〜、メチャクチャ重かった。
 
ロメロのゾンビ映画は、「ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド」「ゾンビ」「死霊のえじき」「ランド・オブ・ザ・デッド」と過去4作品が発表され、いずれの作品にも監督の社会・政事批判や、批評性が含まれていたわけですが、今作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」は、そのメッセージ性が前面に出ていて、とにかく強烈!
 
ロメロの代表作である「ゾンビ」では、そういったメッセージは、アクションシーンや過激なスプラッター描写の中で、あくまでも映画の裏の要素として描かれていたと思うのですが、今作ではそういった娯楽性を極力排除し、「登場人物がカメラマンとなり、事件のあらましを全て伝える」というプロットの下、映画は映像やナレーションで、人間や社会の愚かさ、暗部を次々に暴いていきます。
 
近年、「クローバーフィールド」や「○REC」みたいな、フェイク・ドキュメンタリー形式のホラー映画が何本かあったので、ロメロもその流れに乗ったのかなぁ、もう年なのに、新しいことにドンドン挑戦して偉いなぁ、ぐらいに軽く考えていたんですが、甘かった。その手の映画にあるようなアトラクション性は皆無で、あくまで、ドキュメンタリーの映像として、カメラは残酷な現実を映し出していくのみ。く…暗い。
  
作中に登場するゾンビも、友達とか家族とか登場人物たちの身近にいる人々が次々と死んだ後にゾンビ化しちゃって、それらを再び殺す描写とか、とにかく陰惨でひたすら不快です。観ていて、相当暗澹たる気持ちになりました……。重い! 重いよ!
 
良くも悪くも、ロメロの作家性や思想が極端な程、表に出てきてしまっている本作。
 
近年のホラー映画にあるような見終わった後の爽快感は皆無ですが、ロメロファン、ゾンビ映画ファンは必見の一本だと思います。
 
個人的には物語としてのおもしろさと、作家性のバランスは「ゾンビ」が最も理想的だと思うんですけどね。