的外れ映画評

ジョン・クローリー監督 / 「BOY A」

地元のミニシアターで、イギリス映画「BOY A」を観る。 過去の過ちから人生の大半を、社会から隔離された場所で過ごしてきたエリック。 そんな彼にも社会復帰の時が訪れ、「ジャック」という名前で、新しい人生を歩み始める。 相談役のテリーに導かれ、彼が…

おっさん達のロックンロールにドキドキする。 − マーティン・スコセッシ「SHINE A LIGHT」

昨年は、本当に素晴らしい映画が多くて。 ありがたいことに、年が明けてからもそういう状況が続いていまして、今年に入って見た映画も、どれも大当たりでウハウハです。 映画とか音楽とかの「表現」が持つパワー、エネルギーって凄いものがあるんで、今年も…

新年早々、有り得ないくらいの絶望感を味わったぜ!

今年から、こちらのBlogで、日記を書いていきたいと思います。 書いている人は、「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」という、はてダの中の人と同一人物です。 こちらは、映画や音楽の話題が中心になると思いますが、メインサイトと同様、よろしく…

負け犬たちのアートによる遠吠えが世界を変える − 「ビューティフル・ルーザーズ」

90年代のアメリカのアートシーン、ユースカルチャーを、当事者であるアーティスト達のインタビューを基に検証するドキュメンタリー映画。 地元のミニシアターのレイトショーで。 僕は、「アート」なんつうものに関しては、「アレだよな、キース・ヘリングと…

過剰なまでの「やり過ぎ感」に酔いしれろ! ― 「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」

PANCRASE所属のプロレスラー、鈴木みのるが「週刊プロレス」で連載しているコラムが好きで、毎週密かに楽しみにしています。 鈴木らしい毒に満ちたユーモアで日本のマット状況をぶった切りながら、自身の理想とするプロレス、プロレスラー像について語ってい…

拝啓、ポール・W・S・アンダーソン様、いつもボンクラな映画を作ってくれてありがとうございます

ポール・W・S・アンダーソンの「デス・レース」を観てきましたよ。 今回はいつも以上にネタバレ多めの感想ですので、以下収納しておきます。

ホラー映画のリメイク作って、何故か必ずコケるけど…。−ロブ・ゾンビ「ハロウィン」

ロブ・ゾンビによるリメイク版「ハロウィン」を観てきました! 以下、ネタバレありの感想なので、隠しておきます。

チープだが味わいのあるオバケ屋敷映画―[REC/レック]―

歌舞伎町で、スパニッシュ・ホラー映画の[REC/レック]を観る。 映画[REC/レック]オフィシャルHP そういえば、花見沢Q太郎が同名の萌え漫画描いてたな〜とかくだらないことを考えながら映画館の暗闇の中に入っていったのだが、当然ながら映画の方は阿鼻叫喚…

ポール・トーマス・アンダーソン「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

渋谷の映画館で観賞。 何というか…近年稀に見るシンドイ映画だった。 この場合の「シンドイ」というのは、「つまらない」とか「訳が分からない」という意味での「シンドイ」ではなく、余りにも凄すぎて、この映画に対して語る言葉が見つからない、そういう意…

フランク・ダラボン「ミスト」

微妙にネタバレを含むので、未見の人は以下の文章を見ないでね♪ いや〜、本当によくできた怪獣映画でした。素晴らしかった! 話題になっているラストシーンも含めて、「マタンゴ」や「吸血鬼ゴケミドロ」なんかの、見た後に嫌〜な後味の残る特撮映画を見てい…

チャールズ・チャップリン「チャップリンの独裁者」

新宿のK'sシネマにて。 僕は、普段映画を見ていても、ストーリーやメッセージ性よりは、映像にばっかり目が行きがちなんだけど、やはりたまにはこういう映画を観て、映画本来の面白さ、力を再認識すべきだと、真面目に思った。 愛しい人のために、理不尽な暴…

マット・リーブス「クローバーフィールド/HAKAISHA」

※今回のエントリーは、この映画のネタバレを含みます。 これから観る人は、下の文章を読まないでね〜。 劇場公開前から、独特な撮影方法と、「自由の女神の首チョンパ」というパンチの効いた映像だけが先行で、観る側に伝えられていたこの映画。 自分も、「…

ジョン・カーニー「once ダブリンの街角で」

昨日は映画の日だったので、新宿と吉祥寺で映画を観に行ったのですが、吉祥寺バウスシアターのレイトショーで見た「once ダブリンの街角で」が大変素晴らしかったです。 んん〜、いい映画じゃないですかぁ〜〜。(80年代の、武田鉄也調で) これの前に見たの…

コーエン兄弟「ノーカントリー」

本作でアカデミー助演男優賞をとったハビエル・バルデム演じる非情な殺し屋、アントン・シガーの強烈な存在感が、本作の要である。 文才がないもので、「非情な殺し屋」なんて温い表現になってしまったが、劇中でのシガーのデタラメな暴れっぷりは実際のとこ…

ジョン・セイルズ「ブラザー・フロム・アナザー・プラネット」

ブラザー・フロム・アナザー・プラネット [DVD]出版社/メーカー: バップ発売日: 2008/01/23メディア: DVD クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見るなんの予備知識もなくDVDをレンタルし、全編に流れる80年代アメリカン・インディーズ・ムーヴィーの…

カーペンターとドン・コスカレリ

嬉しいことに、行きつけのビデオ屋に、ドン・コスカレリ監督作のカルト・ホラー映画「ファンタズム」のリマスターDVDが入荷した。 カルトの代名詞の如き噂だけは知っていたので、ドキドキしながら見てみたんだけど、う……う〜〜〜ん。 ちょっと、シュール過ぎ…

ジャン=リュック・ゴダール「はなればなれに」

早稲田松竹にて、同じくゴダールの「彼女について私が知っている二、三の事柄」との合同上映。 ゴダール作品としてはストーリーが分かりやすいとか、クライム・コメディーとしてきちんとしている云々よりも、主演のアンナ・カリーナが圧倒的に可愛いくてお馬…

ウェス・アンダーソン「ダージリン急行」

仲たがいをしていた三兄弟が、インド旅行を通して家族としての絆を取り戻していくロード・ムーヴィー。 割りかしベタなテーマを扱いながらも、主人公である三兄弟のキャラがかなり濃く、良くも悪くも独特の空気を孕んだ作品だった。 「スピリチュアルな旅で…

フェデリコ・フェリーニ「道」

道 [DVD]出版社/メーカー: アイ・ヴィ・シー発売日: 2002/04/25メディア: DVD クリック: 93回この商品を含むブログ (134件) を見るう〜ん……フェリーニの映画に流れる、この底抜けの楽観主義は一体何なんだろうな? いや、この映画も物語の表層っていうか、単…

フェデリコ・フェリーニ「崖」

崖 [DVD]出版社/メーカー: パイオニアLDC発売日: 2000/02/25メディア: DVD クリック: 6回この商品を含むブログ (10件) を見る観終わった後に、何とも言えない不思議な余韻が残る映画だった。 ラストで主人公の詐欺師が迎える人生の結末は、実に悲惨で残酷な…