おっさん達のロックンロールにドキドキする。 − マーティン・スコセッシ「SHINE A LIGHT」

 
昨年は、本当に素晴らしい映画が多くて。
 
ありがたいことに、年が明けてからもそういう状況が続いていまして、今年に入って見た映画も、どれも大当たりでウハウハです。
 
映画とか音楽とかの「表現」が持つパワー、エネルギーって凄いものがあるんで、今年もこのまま上り調子で素晴らしい作品に沢山出会えたらな、と思います。
 

 
マーティン・スコセッシによるThe Rolling Stonesのライブ・ドキュメンタリー映画「SHINE A LIGHT」も昨年観た良作の中の一本。
 
正直、ロックの持つヒリヒリとした緊張感は薄めなんですけど、スコセッシとストーンズという、年齢を重ねても「表現」を行い続けているアーティストとしての姿こそが、本作の何よりの見所かな、と。
 
ひたすらにカッコ良くて、でもやっぱり年食ってるから、ちょっとカッコ悪くて、でもそのカッコ悪さが一周して逆にカッコ良かったり…っていう、ロックの魔力と魅力がスクリーンに描かれるライブの間中ずっと漂っていて、ひたすら観ていてニコニコでした。
 
クリントン元大統領を始めとするVIPの面々がライブを観に来てたり(クリントンの親戚に挨拶をするハメになった時の、「あ〜…メンド臭ぇなぁ…」っていうメンバーの表情は必見!)、ゲストにThe White Stripesのジャックが一曲だけ参加したり、クリスティーナ・アギレラがこれまた一曲だけ歌いに来たりと、The Rolling Stonesというバンド自体に「スペシャル感」「大物感」が漂っているのは勿論なんだけど、長年の活動の蓄積から生まれた下世話なユーモアやエンターテインメント精神すらロックンロールに昇華しちゃえるのが、このバンドの一番偉大なところだと再認識。
 
「あ〜、肩肘張らずに自然体で、こういう空気感を持てるのが、大物なんだな〜」なんて。
 
デュエットで歌っている時に、クリスティーナ・アギレラのヒップに股間を押し当てるミック・ジャガーの絶倫っぷりを目にして、やっぱおっさんが頑張ってる姿っていいもんだな、と凄く素直に思いましたね。