PLAYBOY CHANNEL NIGHT 2008@新宿FACE

ちょっと早めに仕事を終えて、新宿へ。
夏目ナナプロデュースのプロレス興行、「PLAY BOY CHANNEL NIGHT」を観戦するためだ。
何気に、新宿FACEは久し振り。
歌舞伎町のドマンナカという立地条件のいかがわしさが、後楽園ホールとはまた違った意味で、「プロレス見にきたな!」という気分にさせてくれる会場だ。
要するに、テンションが上がる。
入場して、ドリンクチケットで青りんごサワーなんぞを飲んでいたら、程なくして開演。


まずは、今回のイベントの企画者である夏目ナナさんが登場。
着ているTシャツの上からでも、胸のラインがぷっくりと出ていて、一気にテンションが上がる。


俺は、中学生か。


そんな分かりやす過ぎる、リビドーを胸に秘め、鼻の下を思いっきり伸ばして(1m71cm。アジア記録タイ)いたら、夏目ナナさんが武藤敬司をリングに呼び込み、「HOLD OUT」に乗って武藤登場。
場内の「武藤!」コールで、「あぁ、女の子を見に来たんじゃなかった!プロレス見に来たんだ」と我に返る。


で、今夜のイベントの目玉である「30歳以下限定タッグ・トーナメント」の出場レスラーが全員リングに登場。
ん〜、ちょっと生観戦をサボっている内に、知らない選手が増えていて驚く。
全日もいつの間にか、新人が増えているし、インディーの選手とかだと「週プロ」に名前が載らないこともあるからな〜。
みんな身体は小さくとも、若さとヤル気が全面に出ていて、見ていて気持ちがいい。


今回の趣向としては、各チームにセクシー・タレント(普段は、裸の男女がモザイクをかけられた状態で激しく身体を動かす、恐らく唐十郎の影響下にあるであろう前衛映画に主演されている女優の皆さん)がセコンドに付き、勝てば相手チームのセコンドを奪うことができ、最終的に優勝すれば6人もの女性を手に入れて、リングの上が「ラブひな」状態に!という実に明快なコンセプト。
身体パフォーマンスとエロが、しかも歌舞伎町で結びつくという、安易すぎるくらい安易な必然性が素晴らしい。


ちなみに、セコンドに付いていたAV女優の皆さんは、全員黒のビキニにバニーガールのカチューシャ(っていうのかな、アレ?)を着けて登場。
20歳未満は、入場不可のイベントだったので、「すわっ!コレはとんでもないことがリングの上で起ってしまうんではなかろうか!?」などと過剰な期待をしていた馬鹿には、少々物足りなかったものの、まぁ健全なお色気って感じで、実に清潔なもんでした。


試合は、全日本プロレスのT28選手が素晴らしかった。
雑誌で名前を見ている限りでは、いかにも軽そうなリング・ネーム(ちなみに「テツヤ」と読む)と、ブレイク・ダンスのパフォーマンスでアンマリ良い印象を持ってなかったんだけど、顔と身体を近くで見たら、実に雰囲気があって、あっさりファンに転身してしまった。
で、T28選手、相方のKUSHIDA(この人も、まだ若いのに雰囲気があって実に良い!)と共にリングイン(あと、明日花キララさんもついでにリングイン(笑))するも、コスチュームを脱いだら、肩にはガチガチのテーピングが!
おいおい!大丈夫かよ!?
場所が場所だけに、なるべく早めに、シッカリ治して欲しいもんだ。


結局、このケガのせいで、以降の試合は必然的に「対戦相手に対して、痛みをこらえて、必死に戦うT28と、それを支える天才肌のKUSHIDA」という図式となり、コレがガッチリと客の心を掴んで、試合を盛り上げた。
最後は、身体が二回り程も違う征矢 学、柿本大地組を破って優勝。
即席チームばっかりだったので、前途の物語性が優勝を引き寄せたのだろう。
また、見てみたいと思えるチームだった。
(T28&KUSHIDA組は、全日の次期シリーズ、Jr.タッグトーナメントに参戦が決定)


とりあえず、思い出書き程度に、各試合で思ったことを列記。


真田聖也矢野啓太vs●駿河 一、吉川祐太


矢野選手がいい。何だ!?あの全身コスチュームは!?
プロレスラーらしいトンパチ臭が、あの年齢ですでにプンプン。相方の真田選手の生真面目さと対照的でおもしろかった。
駿河一はデビューしたばっかりとはいえ、長身のせいで動きが全てスローモーに見えるのがツライ。
ただ、試合中にドサクサに紛れて、セコンドの女の子を追いかけまわしたりと、ユーモアのセンスには可能性を感じた。


ジョー・ドーリング、カズ・ハヤシ、○華名vs荒谷望誉、●菊タローアップルみゆき


ジョー・ドーリングを初めて生で見る。・・・デカイ!
出てきた途端に、アチコチから「デカッ!」っというシンプル極まりない驚嘆の囁きが聞こえてくる。
この日はJrの選手が多かったし、会場の天井も低かったので、その風体はまるで魔人のようだった。
よつばと!」のジャンボみたいだ。
身体を活かしたダイナミックなプロレスに加えて、この日の試合では「お笑い」もこなせることが発覚!
全日は、いい外人選手を見つけてくるな〜。
華名さんとみゆきは、正直今回出てきたどの女の子よりも可愛かったです。
で、それに絡む荒谷さんと菊さんが、彼らにしかできないプロレスを確立してんのが素晴らしい。
「お笑い」の世界でも、彼らの芸は評価されるべきだ。そこらの芸人さんなんかより、ずっとおもしろいよ。
カズが遂に年齢面をイジラレ始める。老け込むには、まだまだ早過ぎるよ。今年は、期待しています。


○T28、KUSHIDAvs●梶ヤマト、滝澤大志


K-DOJOの二選手は、この日初めて知ったのだけれど、梶選手の「女の子の前でええカッコしいをしようとして失敗する」というお調子者のキャラが実に良かった。何気にこのイベントのコンセプトに一番合っていた選手のような気がする。
滝澤選手は、動きは直線的過ぎるけれど、技のキレがいい。のびるな。


真田聖也矢野啓太vs征矢 学、○柿本大地


無我離脱のゴタゴタで、「暗さ」を背負ってしまった征矢だが、今回は柿本選手の陽性のキャラクターのお陰で、上手いこと試合が回っていたような気がする。このコンビは、また見たいぞ。
征矢も柿本も身体の厚みが違う。こういう試合だと、「相手に対して、その身体じゃ、凄くて当然。できて当たり前」みたいな眼で見られるので、イマイチ試合が盛り上がりにくい気がする。難しいところだね。


勝戦では、T28が痛みをこらえてのファイヤーバード・スプラッシュを決めて、征矢から3カウント。
優勝賞品は、テレビチューナーと、セコンドに付いていたセクシー・タレントからのキスのプレゼント。
ベタだな〜(笑)。
でも、そのベタさがいい。最後、全選手が再びリングに集まり、夏目ナナさんから締めの挨拶があったんだけど、その瞬間なんて、見てたら幸せ過ぎて泣きそうになってしまった。


見終わっても、「あ〜おもしろかった」以外の感想が出てこないんだが、そんなプロレスもたまには良いものだ。
ちなみに、アダルト産業とプロレスのコラボって、自分的には全然アリ。
武藤も、マイクで「男はスケベなくらいが調度良い。スケベだから、コイツらスゲェ試合ができるんだよ」
って言ってたんだけど、何か分かる気がするな。
若手の登竜門的なイベントとか、定期化して欲しいもんだ。


全身で、幸せをかみしめながら終電で帰る。
「今日は、プロレス。明後日は、マイク・ワットのライブか・・・」と車内でフトつぶやいてみる。
と、途端に、先ほど感じていた興奮とは、また別の高揚が全身に沸き起こる。


「!明後日は、マイク・ワットのライブか!」


一方的に、プロレスへの熱い思いをガーっと書いちゃったら、割と文章が長くなってしまったので、
八王子でのマイク・ワットのライブレポは、明日書きたいと思います。