ポール・トーマス・アンダーソン「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」




渋谷の映画館で観賞。


何というか…近年稀に見るシンドイ映画だった。


この場合の「シンドイ」というのは、「つまらない」とか「訳が分からない」という意味での「シンドイ」ではなく、余りにも凄すぎて、この映画に対して語る言葉が見つからない、そういう意味でのシンドさである。


こういう映画に対して、雄弁に語れる知識と話術を持っている人間を、僕は本当に羨ましく思う。
思うのだけれど、個人的にはネットや活字でこの映画の批評を読んでも、イマイチピンとくるものがないんだよなぁ。的を射た、的確な批評には未だ巡りあえていない。


映画は、凄いよ。
冒頭の台詞がない状態で、何も言葉が語られないまま、劇中での時間が経過していく、「さすが、ポール・トーマス・アンダーソン!」としか言い様がない斬新な手法や、主人公の圧倒的なキャラクター、信仰に異常な執着を燃やす宗教家を演じるポール・ダノ、石油と宗教という2つの現代的な事象を扱った監督の視点、ストーリー、音楽、映像…。


それらの一つ一つが、見ていて異様なインパクトがあったし、圧倒された。
けど、それら一つ一つを集めて、何かを語ろうとすると、どうしても言葉に詰まっちゃうんだよなぁ〜。
結局はただ単に「凄かった」としか言いようが無い。


もう一度、観に行きたい気もするんだが、う〜ん…。
できれば数ヵ月後に名画座のようなところで、もう一度再会、そんなシチュエーションで見たいなぁ。
そんな映画でした。(アブストラクト過ぎ!)