的外れ映画評

劇場に足を運ぶ時間がなかなかとれない。しかたなくDVDで我慢だ。


ようやく、「ボラット」を見る。


ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習<完全ノーカット版>MANKINI水着付BOX(初回生産限定) [DVD]


本当は頭が良い常識人が、ムリして馬鹿やっているサマを延々見せられているようで、なんだか少し痛々しかった。
スカム・ミュージックとかもそうだが、この手の悪趣味カルチャーはやはり天然には敵わないな、と真面目に思う。


続けて、ジョン・カーペンターの「パラダイム」を見る。


パラダイム [DVD]


序盤はキリスト文化圏に根ざした超常現象映画と思わせておいて、中盤〜ラストは突如ゾンビ映画化。
途中で、セリフや話の展開の辻褄が噛み合わなくなるのだが、なんか「タキオンがどーした」とか「キリストがどーだ」とかハッタリ利かしている内に、ちゃんと映画として成立させてしまうんだから大したもんだ。
登場人物、多くねぇか?と思いながら見ていたのだが、ちゃんとボンボン死んでいくのがエライ。
なかでも、自転車が身体に突き刺さって人間が死ぬシーンはインパクトがあった。
ホラー映画といえば、今まで独創的な凶器の数々がスクリーンを血に染めてきたわけだが、自転車だよ!?
やっぱり、カーペンターは天才だと思った。……いや、異才かな?
ゾンビ化するホームレス(なぜか、アリス・クーパーも参加している!)、壁に張り付く大量のミミズ、地下から吹きだす蟻の大群、と恐怖シーンがイチイチシュールなのもナイス。
低予算のカーペンター映画の中でも、恐怖感と緊張感は、かなり高い。
ゼイリブ」、「マウス・オブ・マッドネス」の次くらいに好きかも。