中古盤屋での会話

「あ・・・」


「何?」


「ロビン・ヒッチコックのアルバムだ!僕は、この人の大ファンなんだよ!」


「ろびん・ひっちこっく?誰、それ?」


「イギリスにSOFT BOYSっていう素晴らしいロック・バンドがいてね。ロビン・ヒッチコックは、
そこのフロントマンなんだ」


「ふ〜ん・・・有名なの?」


「うん、ある意味では有名かな。カルト・ミュージシャンって言われる人たちの代表格でね。
音楽が素晴らしいのはもちろんなんだけど、相当な奇人なんだよ。本気でタイム・マシーンを作ろう
としたこともあるんだ」


「何、それ?意味分かんな〜い」


「それで、精神病院に入ったりとか・・・まぁ、天才だよね。
このアルバムは、見たことないけど、ボブ・ディランのカバーアルバムみたいだね」


「買うの?いくら?」


「1260円」


「たっかぁ〜い!」


「ロビン・ヒッチコックだよ?充分お買い得だよ。とりあえず、コレは買いと・・・
あ、SIGUE SIGUE SPUTNIKだ!」


「ジグジグ?」


ジグ・ジグ・スパトニック。テクノ・ポップのキワモノ的バンドなんだけど、今聞いてみると結構
カッコいいんだよ。前、BOOM BOOM SATELLITESのCD貸したでしょ?」


「ブンブン・サテライツ?あ、あの恐竜の化石のジャケットのヤツ?」


「聴いてくれた?」


「ううん、まだ」


「(ガックシ)BOOM BOOM SATELLITESってバンド名は、このジグジグ・スパトニックの曲名
から持ってきてるんだ。ほら、このアルバムに入ってるよ。
ジグジグ・スパトニックは、イロモノ・バンドみたいな扱いをずっと受けたたんだけど、
実は、色んなアーティストに影響を与えてるんだ。なぜか、布袋寅泰がリスペクトしてたりとかさ」


「あ、布袋なら私も好き〜」


「(ガックシ)このアルバムは持ってないから買いだな・・・あとは・・・あっ!
ナイチンゲールズのアルバムだ!」


「ないちんげーるず?変な名前」


「『PILLOWS & PRAYERS』っていうネオアコのコンピレーションアルバムがあってさ。
そこに、収録されてるバンドの一つなんだ。アルバムをずっと探してたんだけど、こんな
初めて入るお店で見つけるなんて。・・・嬉しいなぁ!」


「ふ〜ん、有名なんだ」


「いや、有名ではないんだけど・・・THE PILLOWSって日本のバンド知らない?その人たちが、
バンド名を持ってきた名コンピが『PILLOWS & PRAYERS』なんだけど」


「知らな〜い」


「『フリクリ』ってアニメがあってさ・・・って興味ないか?」


「う〜ん、私音楽とかよく分かんないから・・・。あ、このジャケット可愛い!」


「それは、オレンジ・ジュースだね。ネオアコを代表するバンドだよ。
オザケンとか好きだったら、絶対気に入ると思うよ」


「ふ〜ん、私もこういうの聴いてみようかなぁ」


「えぇ、ホント?じゃ、今度さ、僕のオススメの中古盤屋に一緒に行こうよ」


「べ・・・別に、アンタと話を合せるために、音楽を聴くわけじゃないんだからね!
か・・・勘違いしないでよねっ!」




↑みたいな会話を、中古盤屋に行くたびに脳内彼女と繰り広げながらCD選んでます。
きんもーっ☆